こんにちは、そしてはじめまして！
八王子多摩ニュータウン地区にてアロマセラピー出張講座をしておりますaroma&heartの野田恵美子です。

長引くコロナ禍で人とリアルに会う機会が減っていた昨今、知らず知らずのうちにストレスや孤独感が増して認知症を発症する高齢者も増えているという話を聞いています。

今回は、認知症予防にも効果的なアロマ活用法についてお話します。

アロマセラピーとは？

植物から抽出したアロマオイル（精油・エッセンシャルオイル）を用いて行う代替療法の一つで、「芳香療法」とも言います。

精油そのものの香りを楽しむことや、マッサージなどを行い、精油の香りが脳に刺激を与えることによってもたらされる効果や、皮膚を通して体に与えられる作用を期待して行われています。

副作用が少なく、誰にでも簡単に用いることができるメリットがあり、ストレスの緩和や精神的なケア、マッサージでリラックス効果を得るために、医療現場などでも活用されています。

認知症へ対しても、精油の香りを嗅ぐことで脳への刺激を促し、認知症の症状の改善に役立てようと介護施設などでアロマ療法が取り入れられているところもあります。

物忘れよりも先に嗅覚に障害が現れる「アルツハイマー型認知症」

認知症の中でも約6割を占めるのが、記憶力や思考力が衰えていく「アルツハイマー型認知症」。

これは脳の中にβアミロイドたんぱくと呼ばれる異常なタンパク質がたまり出すことが原因のひとつとされ、通常の老化以上に脳の働きを落とし、脳萎縮を進行させると考えられています。

なぜ、βアミロイドたんぱくがたまり出すかはよくわかっておりません。

認知症の症状として、もの忘れや短期記憶がなくなるなどを思い浮かべる方が多いかと思います。

しかし、「アルツハイマー型認知症」は実のところ嗅覚の障害が先に現れます。

そのため、もの忘れの症状が始まる前に嗅覚に刺激を与えることで、認知症を予防できる可能性があるといわれています。

嗅覚刺激が脳に作用するメカニズム

香りの情報は「嗅神経」を通って脳の器官「嗅覚野」伝えられます。

また、嗅覚野の近くには記憶をつかさどる「海馬」という部位があり、嗅覚を刺激することで間接的に海馬が刺激され、記憶力が活性化すると言われています。

以下が、香り（ニオイ）による刺激によって記憶が蘇る例です。

★食べ物や植物のニオイがきっかけで、過去に行った場所やお店を思い出す

★嗅いだニオイがきっかけであの時・あの場所・楽しかった出来事などを思い出す

★香水や柔軟剤の香り（ニオイ）で特定のだれかを思い出す

皆さんにも少なからずこういった経験はあるのではないでしょうか。

鳥取大学医学部が発表「アルツハイマー病患者に対する アロマセラピーの有用性」

鳥取大学医学部の研究において、アルツハイマー病におけるアロマ療法の有用性が発表されております。

具体的には、介護老人保健施設に入所中の高齢者を対象に28日間、朝（9～11時）に、交感神経を刺激し、集中力の向上、記憶力の強化を促す作用のあるローズマリー精油を２滴とレモンの精油１滴、夜（19時半～21時半）に、副交感神経を刺激し、心や身体のリラックス作用のあるラベンダー精油を２滴とオレンジ・スイート精油を１滴、それぞれ、香りの拡散機ディフューザーで散布。結果として、被験者の自己に関する見当識の改善がみられた。

これらより，アロマセラピーの香りによる刺激が，海馬における神経細胞の発生を促進し，認知機能に改善をもたらしたのではないかと考えられている。

参考論文：鳥取大学医学部「アルツハイマー病患者に対する アロマセラピーの有用性」

認知症予防に効果的なアロマ活用法

それでは、みなさんが簡単にできる「アルツハイマー型認知症」の予防に効果的なアロマの活用法をご紹介します。

朝・昼にはローズマリー＆レモン

ローズマリーとレモンには集中力を高め、記憶力を強化する効果があります。

特にレモンなどの柑橘系の香りは交感神経を刺激するため、思考能力や運動能力を高める働きもあります。

夜にはラベンダー＆スイートオレンジ

ラベンダーとスイートオレンジは鎮静作用が高く、心身をリラックスさせる効果があります。

就寝前には副交感神経を優位に働かせ、活性化された脳を休めリラックスさせてくれます。

使い方は簡単！

■ハンカチやティッシュに垂らす

ハンカチやティッシュにそれぞれの精油を１滴垂らし、部屋に置くだけでアロマの香りを十分感じることができます。1滴だけなので、匂いを強く感じ過ぎることはありません。

リビングや自分の部屋といった日頃よく過ごす場所や、寝る前の枕元などに置いておくと良いでしょう。

また、外出する際に洋服のポケットに入れておくことも1つの方法です。

■芳香浴
マグカップに熱湯を注ぎ、精油を2、3滴垂らすだけでディフューザー代わりになります。

マグカップからの蒸気とアロマオイルの成分が部屋に広がり、心地良い空間で過ごすことができます。

洗面器やバケツにお湯を入れて手浴・足浴するのもおススメです。

■アロマスプレー（脳活スプレー）

アロマ脳活スプレー(Day＆Night用） by aroma&heart

スプレーを作っておくと、すぐに使えてとても便利です。
リビングや寝室だけでなく、マスクスプレーとしても使えます。

＜レシピ＞
50ｍｌスプレーボトルに、精製水30ｍｌと無水エタノール5ｍｌを入れ、以下の精油を入れます。
（精油濃度約３％スプレー）

🌞朝・昼スプレー
ローズマリー20滴
レモン10滴

🌙夜スプレー
ラベンダー　20滴
スイートオレンジ10滴

お好みで、精油の量は調整して下さい。

【注意】肌が弱い方は直接肌に精油が触れないようご注意ください。

おわりに

残念なことに、認知症になる原因は未だはっきりと分かっておりません。

加齢とともに発症する確率が高くなる脳の病気ですが、アルツハイマー型認知症においては、その始まりは発症する20年前からとも言われております。（諸説あり）

つまり、40代、50代から始まっている・・・・とも言えます。

早めの準備と対策をしておきたいものですね。

今回は、認知症予防にも効果的なアロマ活用法についてご紹介しました。

次回は、2023年冬にお届けします。

アロマセラピー出張講座
aroma&heart 　野田恵美子

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